これまでの仕事
これからの仕事
アジャイルという方法
好評発売中
ひとりが始めれば、
それがみんなの始まりになる。
巨人の肩を降り、ひとりで歩み出す
あなたに贈る、20年の知恵。
私たちは日々仕事に没頭し、急激な社会の変化に対して新しいアプローチを考える余裕がありません。行き詰まるプロジェクト、組織に広がる疲弊感……現実はただ待っていても変わることはありません。
そうした現状を打破するために、ソフトウェア開発から誕生したアジャイルという手法が、様々な分野で今日注目を集めています。しかしその実践には、組織や現場の理解を得て、協働に参加してもらうという大きな壁があります。
大事を始める者は、いつもひとりから。苦しい現状から歩み始めるあなたに、アジャイルの前線に立ち続けた著者自身が培った20年の経験と知識を本書を通じてお贈りします。
本書の特色
本書は組織において、アジャイルによる仕事の改革を実践しようとするあなたに向けて編まれた、知識の獲得と実践のための本です。アジャイルはソフトウェア開発から生まれた手法ですが、今日ではそれ以外の分野にも応用されており、本書でも幅広い業種・分野の方にお読みいただけるようにしています。
本書の各章は、3つのパートで構成しています
From
「これまでの仕事」がどのようなものであったか
To
「これからの仕事」はどのようにあるべきか
From→To
「これまでの仕事」から「これからの仕事」へ変えていくためにはどうすればいいか
目次
はじめに
- 誰かが変えるのをただ待ち続けるほど、人生は長くない
- 1人でも「始める」ことができたら、「みんな」の「始まり」につながっていく
- 20年の時を重ねてたどりついた仕事の方法、取り組み方、始め方をあなたに
第1章 「数字だけ」から「こうありたい」に
From
- 目標が次の何かに活きているか?
- 「数字しかない」目標になっていないか?
- 目標の前提に目的はあるか?
- 本当に目標を達成できているのか? 達成したことにしていないか?
- 目標を予定どおり達成できることに価値があるのか?
- 考えてもわからないのか? 考えていないためにわからないのか?
To
- 自分たちの「芯」がどこにあるのか、目の前のことはいったん脇に置いて考えよう
- ゴールデン・サークルを用いて自分の意図を自分に気づかせよう
From→To
- FromとToを別々に描こう
- 目標までに段階をつくって1つ1つ乗り越えていこう
第2章 目先の効率から、本質的な問いへ
From
- 机上の議論が容赦なく延々と続く
- 表層的な理解だけ合わせて、本質的な問いが置き去りにされる
- 「これまでこうしてきたから」問題(圧倒的な問いの不足)
- 「効率性ファーストのメンタリティ」問題(正解を出さないといけない)
- 「失敗が次に活かされない」問題(失敗の本質は同質の失敗を繰り返すこと)
To
- 問いを立てるのと同時に、その問いに答えるための「プロセス」を取り入れよう
- (1)問いを立てる
- (2)問いに答えるための仮説を立てる
- (3)仮説を検証するためのプランを立てる
- (4)検証を実施する
- (5)結果を確認し、理解を得る
From→To
- 個別の活動に焦点を当てつつ、全体として成り立っているかに目を向けよう
- 全体のプランを時間軸を伴う形で可視化しよう
第3章 規定どおりから、未知の可能性へ
From
- 評価の基準は「最初に立てた目標どおりであったかどうか」
- 「正解」からからズレないことを基準に置いてきた組織が周囲からズレてしまっている
To
- 「適応の時間」を明確に取るようにしよう
- ふりかえりをしよう
- むきなおりをしよう
- 領域を越境していこう
From→To
- 探索と適応のバックログを作ろう
第4章 アウトプットからアウトカムへ
From
- 「品質が王様」という価値観
- 品質を高めるために、何度も幅広く検査する
- アウトプット自体が決められなければ3つのムダが生じる可能性がある
- 問うべきは「アウトカム(成果)が得られるかどうか」
To
- 早く試せるよう、価値があると思われる部分を真っ先に実現しよう
- 理解を正すまでの時間を短くしよう
From→To
- 目的が完成品としてのアウトプットなのか、アウトカムまで狙うのかを問おう
- 振り子のようにアウトプットや品質の考え方を動かしていこう
第5章 マイクロマネジメントから、自律へ
From
- マイクロマネジメントでは、計画の詳細さと呼応するように、細やかな報告が求められる
- 「予実のズレをなくすことが成果につながる」という世界観がマイクロマネジメントを生む
To
- 唯一の正解がないなら、多様性を許容して「当たり」を引く可能性を高めよう
- 順序と時間をマネジメントしよう
- 自ら学び、判断し、協力しあえるチームをつくろう
From→To
- これまでの「ふつう」を少しずつ変えてチームの自立性を引き出していこう
- 「ファイブフィンガー」「ベロシティ&リードタイム」「ワクドキ感」でチームの状態を理解しよう
第6章 1人の知識から、みんなの知識へ
From
- 仕事のやり方がアップデートされていない
- どこにナレッジがあるかわからない
- ナレッジが形式知として残されていない
- 効率性ファーストだと共同化の機会が限られたものになってしまう
To
- 1人SECIモデルを回そう
- 逆円錐状に学びの回転を広げよう
- 協働によって触発を生み出そう
From→To
- 形式知のかたちを見いだしておこう
- ナレッジ自体のふりかえりをおこなうようにしよう
第7章 縄張りから、越境へ
From
- チームや部署を越えたコミュニケーションに良くなる兆しがない
- 1on1やチャットでも乗り越えられない
To
- 越境の2つの意味
- 1人から始める越境
- チームでの越境
- 組織の越境
From→To
- 接点を作り続け、対話を進めていこう
終章 思考停止から、行動へ
From
- 「自分として」考えることも、動くこともない
- 思考停止から無関心、他責、面従腹背につながっていく
To
- 関心、チーム、リスペクト、越境でダークサイドを変えていこう
From→To
- 経験とは行動を起こした人にのみ与えられる報酬
- おわりに
- 参考文献
本書の概要をスライドで見る
著者プロフィール
市谷 聡啓 / Toshihiro Ichitani
株式会社レッドジャーニー 代表 / 元政府CIO補佐官 / DevLOVE オーガナイザー
サービスや事業についてのアイデア段階の構想から、コンセプトを練り上げていく仮説検証とアジャイル開発の運営について経験が厚い。プログラマーからキャリアをスタートし、SIerでのプロジェクトマネジメント、大規模インターネットサービスのプロデューサー、アジャイル開発の実践を経て、ギルドワークスを立ち上げる。それぞれの局面から得られた実践知で、ソフトウェアの共創に辿り着くべく越境し続けている。
訳書に「リーン開発の現場」、おもな著書に「デジタルトランスフォーメーション・ジャーニー」「カイゼン・ジャーニー」「正しいものを正しくつくる」「チーム・ジャーニー」「いちばんやさしいアジャイル開発の教本」がある。
これまでの仕事 これからの仕事
たった1人から現実を変えていくアジャイルという方法
好評発売中
市谷 聡啓 著 / 技術評論社 刊